日高町で始まるヘンテコで小さなお祭り。
「ひとに惹かれる。まちが好きになる。」をスローガンに、江原・日高を好きになる新しいフェスティバル。
いつもの日常よりもちょっとヘンテコな十日間は、不思議でヘンテコなことが最もえらいのです。
学生・地域住民・芸術家による企画が、江原駅東口のいたるところで毎日開催。 フリーマーケットやダンス、俳句、さんぽ、ストレッチ教室、食事会など。ヘンテコな世界大会もやってます。
初めてこのまちに訪れたとき、まちの方がうれしそうに話しかけてくれました。私たちのシェアハウスのオーナーも、本当にうれしそうにこのまちのことを紹介してくれました。まちの人やオーナーがうれしそうにしていると、私たちもうれしくなる。これが、私たちが引っ越したときからずっと大切にしていることです。
私たちは但馬地域ではじめての四年生大学の一期生で、地域に大学生のような20歳前後の若い世代がいるのは珍しいことだそうです。それからも地域の夏祭りや運動会、神輿を担ぐ秋祭りなど、地域住民の一員として私たちを誘ってくれました。
プロジェクトの開催エリア周辺はかつて200軒以上のお店が並ぶ商店街であり、日高町の中心でした。しかし今では店舗数は30軒を下回り、かつての商店はシャッターが閉まり、また空き家になり、そして取り壊しが後を絶ちません。
それでも、このまちにはたくさんの子どもがいます。このまちで生まれ、育ち、学び、成長する子どもたちを私たちはみてきました。このまちには、その子の親も、その親も住んでいます。このまちはずっと昔から、まちのみんなで子どもを愛し、子どもを守り、そうしてまちが残っているのです。
私たちはこのまちで人と人がともに生きていくために大切なことを学びました。だから、いま、私たちがこのまちのためにできることは何か考えました。
私たちは、教科書には載らないこのまちの文化が、これからの社会をよりよくしていく手がかりになると信じています。
まちの魅力を伝えることは、まちにとっても、現代社会を生きる我々にとっても価値があるのではないか。そしてそれを共有するには、芸術のようなより体験的で感覚的なものによってこそ、多くの人に実感してもらえるのではないかと考えました。
このまちに人が訪れて、人と出会うことで、少しずつ未来が魅力的になっていく。私たちのちいさなフェスティバルを続けていくことが、いずれ大きな変化を生み出し、社会へのテコ入れとなりたい。
ヘンテコウィークは地域住民・学生・観光客らが集まって地域の魅力を伝え合う、地域に根付いたフェスティバルを目指します。不思議で”ヘンテコ”なものを見たり知ったり、ときには成ったりすることで、多様な文化の交流を体験的に生み出します。芸術を通じた地域住民×アーティスト×観光客の交流は、フェスティバルが行われる江原・日高の新しい魅力となるでしょう。
フェスティバルディレクター 竹内ミズキ